平成9年度(1997年4月2日)~平成19年度生まれ(2008年4月1日)の女性に向けた
子宮頸がんのキャッチアップ接種について、
テレビCMや自治体からのはがきなどでワクチン接種が訴えられています。
キャッチアップ接種を受けたいけどどのように予約したらいいかわからない、
そもそも接種したかどうかわからないけどどうしたらいいの?などとお悩みの方は多いのではないでしょうか。
こちらの記事では、子宮頸がんワクチンの予約方法や接種記録の調べ方、接種の間隔や接種の際に注意が必要な方などについて詳しく解説しています。
キャッチアップ接種の対象者は?接種無料期間は2025年3月まで!
キャッチアップ接種の対象者は
1997年度生まれ~2007年度生まれの女性であり
過去に子宮頸がんワクチンの接種を合計3回受けていない方
です。
そして、キャッチアップ接種を無料で接種できる期間は2025年3月までなのです!
そのため対象の方でワクチンの接種を希望されている方は
早急に接種のために対応を始める必要があります。
子宮頸がんワクチンの対象者は下記の女性です。
次の2つを満たす方が、あらためて接種の機会をご提供する対象となります。
・平成9年度生まれ~平成19年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)の女性(※1)
・過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない(※2)接種の対象に該当する方は、令和4(2022)年4月~令和7(2025)年3月の3年間、HPVワクチンを公費で接種できます。
厚生労働省HPより
子宮頸がんワクチンの種類は3種類
子宮頸がんのワクチンの種類は、3種類あります。
・サーバリックス
・ガーダシル
・シルガード9
シルガードが現在最も有用とされているワクチンで、
多くの病院で採用されています。
ワクチンについては厚生労働省HPにて詳しく記載がありますので、ぜひ確認してみてください
公費で接種できるHPVワクチンは3種類(サーバリックス、ガーダシル、シルガード9)あります(※)。
決められた間隔をあけて、原則として同じワクチンを合計3回接種します。令和5年4月から、シルガード9も公費で受けられるようになりました。
厚生労働省HPより
接種間隔は?接種が間に合わない場合は受けないほうがいい?
一般的な接種スケジュールだと、最初の1回目から3回目の接種を完了するまでに6か月かかります。
現在主流のシルガード9を3回全額自己負担で接種しようと思うと、約10万円程度の費用がかかります。
まだ一度も子宮頸がんワクチンを接種したことがなく、2025年3月までに接種終了の期限が間に合わないという方であっても、
高額なワクチンであり、重大な病気を防げる予防医療であるため
1回でも2回でも公費で接種することを強くお勧めします。
子宮頸がんワクチンを過去に受けている場合、何回ワクチン接種する?
例えば、中学3年生の時に子宮頸がんワクチンを2回受けて、接種を中断しており
26歳を迎え、この度キャッチアップ接種を検討しているAさんの場合・・・
これから接種するのは3回目のワクチン1回のみです。
何年間隔があいたかに関わらず
すべてのワクチン接種の合計が3回になるように接種を完了するという考えです。
以下厚生労働省HPのよくある質問から引用です。
Q4:過去にHPVワクチンを1回または2回接種した場合にも、残りの回数を公費で受けられますか?
厚生労働省HPより
1回接種したことがある方は残り2回、2回接種したことがある方は残り1回、公費で接種を受けられます。
過去にHPVワクチンを受けた時から時間が経過している場合でも、接種を初回からやり直す必要はなく、残りの回数の接種(2、3回目または3回目)を行ってください。
なお、HPVワクチンは、原則、同じ種類のワクチンを用いて3回(※)接種することとなっています。
(※)シルガード9は、15歳未満の方は接種回数が異なります。
病院への予約方法や持参物は?
予約方法
お近くの病院や産婦人科に電話で問い合わせるのが一般的です。
事前に役所などに相談する必要はありません。
公費で受けるワクチンなので、
事前に役所などへの連絡が必要になりそう・・と思われている方も多いかと思いますが、
病院への予約のみで公費での接種が可能になります。
病院に電話でワクチンの予約をすると、下記の事項を確認されることが多いため、できるだけ事前に確認しておきましょう
・今までの子宮頸がんワクチンの接種歴、母子手帳や予防接種済証の有無
・子宮頸がんワクチンを接種したことがある場合は、どの種類のワクチンを接種しているか
・接種歴がない場合は、どのワクチンを希望するかについて
特にワクチンの種類や違いについては、事前に調べて、ある程度理解しておかないと、
どのワクチンを希望するかなどとっさにこたえられませんよね
かるく確認してから電話で予約すると安心です。
持参物
多くの病院で母子健康手帳や予防接種済証の持参が求められます
お持ちでない方は予約の際に病院に伝えましょう
接種歴を覚えていない場合の確認方法3つを紹介
接種歴を覚えていない場合は、下記の3つの方法で接種歴を確認可能です。
- 母子手帳、予防接種済証にて確認
- 自治体に確認
- 過去にかかっていた小児科などに電話して確認
順に詳しく説明します!
①母子手帳、予防接種済証にて確認
まず1つめは母子手帳、予防接種済証にて確認する方法です。
これだとほぼ確実に接種歴を確認ができ、
病院側もワクチンの種類とともに接種歴を確認することができるため、
これらが手元にある方は問題ないでしょう。
しかし母子手帳は主に保護者が管理していることが多いうえ、
使用する年代も小学生頃までとかなり前で
紛失している方も多いかと思います。そのような場合は、②、③へ
②自治体に確認
2つめの方法は自治体に電話もしくは来所で確認することです。
確認する自治体については、
キャッチアップ接種のはがきなどに記載のある電話番号(住所)宛てに
問い合わせをします。
窓口がわからない場合は住民票のある役所の番号にかけて
子宮頸がんキャッチアップ接種の窓口を問い合わせると案内してくれます。
しかしこの方法は、自治体によって記録の保存についてはかなり差があるため確実とは言えません。
1997年度生まれの広島生まれの筆者の自治体に電話で確認したところ、
記録は残っていないとのことでした。
③過去にかかっていた小児科などに電話して確認
3つめの方法は、小児科や産婦人科など、過去にかかった記憶のある小児科などに
すべて電話をかけて確認するという地道な方法です。
多くの病院でカルテが残っているため、事情を説明すれば調べてもらえます。
しかし、法律で病院に義務付けられているカルテの保存期間は5年間。
すでに病院側でカルテを破棄されてしまっており、接種歴さえわからない方もいるかと思います。
そのような場合は次項→
接種歴が何をやってもわからなかった場合
上記の方法すべてをもってしても接種歴がわからなかった、けれど
今のうちに公費で接種を受けたい!という方は・・
「自治体に確認しても、小児科に電話して確認しても接種歴がなかった(接種していませんでした)」
と伝えれば病院で公費でワクチンを受けることは可能です。
キャッチアップ接種のルールとしてワクチンを重複して接種をしてしまった場合は、
発覚した重複分のワクチン費用は自己負担となるというきまりがあります。
そのため、「いろいろ調べたけど接種歴がわからない」と伝えると
病院側から「確実に接種歴がわかる場合でないと国からお金をもらえないかもしれないので
うちではワクチン接種できません」
と断られてしまう可能性があります。
しかし、実際には自治体や病院側もそれを確かめる術がないため、
たとえ重複分が発生したとしても
実際に請求することは不可能なのが現実です。
金銭面だけで考えれば、この方法で1からワクチンを接種するということで問題ないでしょう。
ただ、重複して接種した場合に身体にどのような影響があるかはわかりませんので、
その点をよく考慮する必要があります。
妊娠中、授乳中は子宮頸がんワクチンをして大丈夫なの?次の妊娠への影響は?
妊娠中の方
妊娠中に子宮頸がんワクチンの接種を検討されている方は、
必ず医師に相談してください。
授乳中の方
授乳中の場合は、特に問題がない場合が多いようで、
ある産婦人科の医師に確認したところ、
「ワクチン接種のその日のうちに授乳をしても問題ない」との回答でした。
また別の産婦人科では、
「風邪薬を飲んでいるときに授乳を推奨できないのと同様に、推奨はできないが
多くは問題がない」
との回答もありました。
次の妊娠を考えている方
次の妊娠を考えている方については
こちらも産婦人科医に問い合わせたところ、
「接種期間中(おおむね6か月の接種期間)は避妊が必要。
最後の接種から2か月空けてからの妊活を推奨する」
とのことでした。
最後の接種から2か月以内に
もし妊娠したとしても中絶を考えるほどの要因とはならないとのことでした。
さいごに
厚生労働省はもとよりさまざまな病院が子宮頸がんワクチンを訴えているのは
子宮頸がんによって今まで尊い命が失われ、
また命は助かったものの子宮を失い子供をもてなくなってしまった
若い女性たちの苦しみを間近に見てきたからです。
子宮頸がんは適切なワクチン接種と検診により防げる病気です。
ぜひ、接種期間に間に合わないという方であっても、
公費で受けられるだけワクチンを接種し、接種を完了させ子宮頸がんを予防しましょう。